4.1.f. Prophet モデルの設計 #
4.1.f.1. 機能概要 #
Prophetは、Facebook(現Meta)が開発した、時系列データのトレンドや季節性を抽出して予測に利用できる自己回帰モデルです。比較的新しいモデルであり、特に長期的なトレンドや季節性を持つデータに対して有効です。
自己回帰モデルとは、目的変数の過去の値を使って予測を行うモデルです。
詳しくは、以下の記事をご参照下さい。
時系列データにおいて、トレンドとは、長期的な上昇または下降の傾向を指します。 例えば、企業の成長に伴い、売上が数年にわたって上昇する場合は、上昇トレンドと見なされます。
一方、季節性とは、特定の時間周期(日、週、月、年など)におけるパターンや繰り返しのことです。 例えば、小売店の売上は、年末年始や夏季休暇などの季節によって周期的に変動することがあります。特に Prophet では、年ごとおよび週ごとの繰り返しをデフォルトでサポートします。
Prophetの特徴
- データのトレンドや季節性を自動的に検出することができます。
- 外れ値や欠損値にも強いモデルです。
Prophetが有効な場面
- 長期的な予測が必要な場合
- データにトレンドや(年次または週次の)季節性がみられる場合
4.1.f.2. 入力と出力 #
なし
種別 | 接続先 |
---|---|
設計済みモデル | 学習 |
4.1.f.3. 操作方法 #
4.1.f.3.1. 結線 #
設計した AI モデル(Prophet)と、学習用のデータ(時間窓切り出し 実施前 のものに限る) を結線してください。
4.1.f.3.2. 各種パラメータの設定 #
設定可能なパラメータは以下の通りです。各パラメータの設定は、モデルの性能と過学習のリスクに直接影響を与えるため、データセットの特性や解析の目的に応じて設定してください。
パラメータ | 設定範囲 | 必須パラメータ | 備考 |
---|---|---|---|
changepoint_prior_scale |
0より大きい値 (推奨値: 0.001 ~ 0.5 の間) |
◯ | トレンドの柔軟性を調整するパラメータです。大きい値ほどトレンドの変化に敏感になります。 |
seasonality_prior_scale |
0より大きい値 (推奨値: 0.01 ~ 10 の間) |
◯ | 季節性の柔軟性を調整するパラメータです。大きい値ほど周期的な動きに敏感になります。 |
seasonality_mode |
“additive” または “multiplicative” | ◯ | 季節性のモードを設定します。multiplicative は、以下のグラフに示すデータのように、周期的な変動の幅が長期的に変化していくデータに適しています。 |
4.1.f.3.2. 設計の保存 #
- “実行” ボタンを押して、設定を保存します。
- 設定内容に矛盾が存在する場合は、エラーが表示されます。
- 処理時間が 5 分を超えるとタイムアウトし、処理が強制終了されます。